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【地名】「東雲」描写的かつ情緒ある読み方、しののめ〜地名を読み解くシリーズ第1弾

眠れない深夜はいつまでも起きていたい。ぼく(ぼくみん (@b0kumin) on Twitter)です。

眠れないならいっそ朝まで何かしていようかと考える夜って人生を得しているようでワクワクしますよね。


"東雲"という駅があります。

京都の舞鶴や北海道にもありますが、今回お話しするのは2018年に築地から市場が移転した豊洲の近くにある「東雲駅」。

f:id:hundreds_of_works:20200328122409j:image出典:GoogleMap

「東雲」と書いて「しののめ」と読みます。

初めてこの漢字を見た人は「しののめ」と読むのは難しいかもしれませんね。

私も初めて東京に行った際にこの駅を訪れたのですが、「しののめ」という読み方に違和感を持ちました。


なぜ「しののめ」と読むのでしょう。

調べてみたところ、この言葉は当て字で「しののめ」とは、日本語の古語で"暗闇から光に移行する夜明け前に茜色に染まる空"を意味します。

そして「篠の目」が由来となっています。

 

古い日本の住居は篠竹(しのたけ)を編んで窓としていました。

f:id:hundreds_of_works:20200322142948j:image出典:温泉旅館のブログ JAPAN LUXURY INNS : 愛知、国宝の茶室「如庵」を行く。②

外光が「篠竹の目」の間から入ってくるので、昔の人は明かり取りそのものである窓のことも「しののめ」というようになりました。

のちに、「夜明け」や「夜明けの薄明かり」のことまで「しののめ」と言うようになったそうです。

そして、東京の「東雲」という地名は、昭和13年に港湾局が公募して「朝日を浴びて明けていく空のように東京港の発展を表す曙の地」という願いを込めて命名されました。

f:id:hundreds_of_works:20200322143726j:image

「東雲」の他にも、夜明けを指す日本語があります。

(あかつき):明時(あかとき)

(あけぼの):「明け」+「ほのか」

あさぼらけ:朝開き、朝+ほの+明け、朝+おぼろ+明け など諸説あり

あさまだき:朝+「まだき(まだその時に達していない)」

f:id:hundreds_of_works:20200322143738j:image

かわたれどき:彼は誰(かはたれ)。「あの人は誰?」と薄暗くて相手が誰か判別しがたい明け方の時間

ちなみに同じ語源なのが、誰そ彼(たれぞかれ)。「誰ですかあの人は?」から「黄昏(たそがれ)」という夕方を指す言葉ができました。

英語では、明け方夕方を合わせてbluetimeと言うそうです。シャレてます。

f:id:hundreds_of_works:20200322143822j:image

夜明け前だけでも、色んな表現がありますね。

とくに今日ご紹介した「東雲」は「朝」や「明るい」といった【直接的な意味を持つ言葉を含まずに、篠竹の目の間から光が差しこんでくるというより描写的、情緒的な趣があって素敵だ】とぼくは思います。


東京だけでなく、北海道から福岡までいくつもの地名に使われた「東雲」。

東京と同じように、昇る朝日のようにその土地の発展を願って名付けられたのかもしれません。

あぁ、そうこうするうちに夜が明けました。

f:id:hundreds_of_works:20200322142856j:image

日の出はいつ見ても美しいものですね。

 

地名を読み解くと、今回のように昔の人の想いやその土地の歴史を垣間見ることができます。

今後もシリーズとして続けていこうと思います。

今日はこのへんで。

ではまた。

 

最後に。

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