【書評】『やりたいことは全部やれ!』
なかなか読書習慣が戻らないぼく(ぼくみん (@b0kumin) on Twitter)です。
それなのに、読みたい本ばかりが増えていく。もはや積ん読コレクションで展覧会ができそう。
今回は大前研一さんの『やりたいことは全部やれ!』をご紹介。
- 作者:大前 研一
- 発売日: 2005/05/13
- メディア: 文庫
- 作者:大前 研一
- 発売日: 2019/11/14
- メディア: 単行本
購入時点では後悔のない人生を送るための心構えをご教授いただけるのかな、と思っていましたが、読んでみるといい意味で裏切られました。
最終章は大前さんの人生訓が披露され、読者へのアドバイスが書かれています。
しかしそれ以前の章で私がワクワクしながら読んだ箇所は、講演などの仕事でワールドワイドに世界を飛び回りながら大半の読者を置き去りにしてしまうほど豪快に人生を楽しんでいるか、とても幅広い人間関係とともに紹介される数々のエピソードです。
しかもその内容が非常に人間臭く書かれていてすっかり『大前のおやじ』のファンになってしまいました。笑 そのエピソードで自分が思わずクスッときたものをいくつかご紹介します。
・小渕さんが首相になって、例のブッチ・フォンが鳴った。「あ、小渕でース。何を最初にやるべきかね?」 これには驚いた。何をやろうとしているのかをまだ言わないうちに、私にそう質問してくるのである。 「宮沢をクビにしてください!」。一言で言えばこれしかない。
・「がんか?」と聞いたら「いや、がんもどき、でよかった。」とレストランギャグで返してきた。 「いや、俺は眼科にでも行っていたのか、って聞いただけなんだよ」とこちらも平静を装って応えた。 そしたら、「そんなの目じゃないよ」っていうから、こちらは「おまえの冗句も向上せん(甲状腺)なぁー」。
・我々は助かったのだ。それからは、わき目もふらずに元の道まで戻り、海岸めがけて走った。 美しい浜辺のほとりにある雑貨店の店先にあった自販機のコーラの味が、いまだに忘れられない。
・実にラッキー、てなもんだ。しかし、あの美しい海岸を疾走できるなら五〇ドルの入場料(罰金?)は安い。 見つからずにあの海岸の全長を走ることができただけでも幸せだ。 「よし、また来るぞ!」と、傷の痛みなどすっかり忘れ、血まみれの割には異常ともいえる幸せな気分になっていたのだ。
・家内が旅行するときには、冷凍庫に留守の日数分のサランラップに包まれたご飯の塊と、シャケとお茶漬けの素をたっぷり おいていってくれればそれで間に合う。手離れのいい亭主だと喜ばれている。これさえあれば、何日でも毎朝それだけでいいのである。
また、個人的に取り入れていこうと思った大前さんの習慣や考えも多く、大変学びの多い一冊でもありました。
・一年ごとに研究テーマを決めて勉強するが、今年は「躍進する中国‐ユニクロ化の意味するもの」がテーマである。 そのため、六回にわたって中国の視察に行く予定だ。すでに五回は終わっている。 (中略)これが雑誌やテレビのコンテンツになり、やがては本になる、というやり方である。
・私の物の使い方には特徴があって、ひとたび気に入ってしまうと、そればかりいつまでたっても使う、というやり方である。 (中略) 生活を簡単にし、ものを忘れたり、いちいちどうしようかと迷わなくてすむからである。 (中略)こうした防衛的な側面だけではなく、仕事の環境を最適にしておくことによって、コンサルタントとして クライアントのことを四六時中考えることができる、という前向きの状況を作るためにも役立つ。
・中央高速道路の茅野あたりから高遠方面の山に入っていくと、廃墟となった農家がたくさんある。 これらは数百万円で手に入る。(中略)あたりはお花畑、畦道、そして美しい緑。子供たちを育てるには最高である。 (中略)こうしたところで、週末を過ごすのである。
とにかく、「大前研一」を知らない人が彼の魅力を知るためものとしてちょうど良い一冊だと思います。引用ばかりになりましたが、本当はもっと紹介したい。笑
最後にこの本の肝とも言えそうな箇所を、私の人生訓の一つとして記して今回の感想を終えます。
・持ち家から趣味まで、すべて楽しい一生を送るために若いときから考え方を変えなくてはいけない。 先送りしない人生。やりたいと思うときが旬。
今日はこのへんで。
ではまた。
最後に。
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- 作者:大前 研一
- 発売日: 2005/05/13
- メディア: 文庫
プロローグ 人生、寄り道・わき道・回り道
第1章 人生を長く楽しく生きる極意
第2章 経営者の素顔
第3章 世界を知る
第4章 旅に学ぶ
第5章 愉快な仲間たち
第6章 死ぬほど遊ぶ
第7章 私のルール
エピローグ 人生の収支決算